~すっぽんの歴史~
昔から漢方の世界では、強精、強壮の代表格として珍重されてきたのです。スッポンは部位ごとに色々な効能があり、頭、甲羅、肉、卵、血、胆のう、脂肪など各部所が色々な効能を持つ漢方薬とされてきました。 7世紀末、文武天皇に献上されたという文献もあり、滋養強壮に効果がありと、江戸時代の書物にも多く書かれています。フランス料理でも、スッポンのコンソメスープは最高級品として珍重されています。
語源
すっぽんは漢字で書くと鼈と書きます。名前の由来は、池から「シュッポン」と現れると言う説と、寿都保無と書かれたという説、鳴聲が「スホン」という事から由来しているという説があります。
すっぽんは爬虫類亀目スッポン科の淡水性の亀で、種類は丸すっぽん・シナスッポン・トゲスッポンなど30種類ほどいます。通常日本ですっぽんと言われているのは、スッポン属(Pelodiscus)のすっぽん(Pelodiscus sinensis)です。湖沼や小川、池などに生育していますが、天然のすっぽんは日本ではほとんど見ることができなくなりました。本州南部、四国、九州などに生育しており、海外では中国、東南アジア、アフリカなどに生育しています。
すっぽんは爬虫類なので卵生で、夏時期に直径1~3センチの球形の卵を100~200個ほど生み、性格はどう猛というイメージがありますが、物凄く臆病です。産卵や食事なども夜に行動します。
すっぽんのからだは、周囲1~2センチほど、やわらかい「エンペラ」といわれるもので作られています。これも、何かのときに岩陰などに逃げ込みやすくするためと言われています。
幼いときから、「すっぽんは噛み付いたらカミナリが鳴るまで離さない」と聞かされてきましたが、臆病なすっぽんが自分から噛み付いてくることはまずありえません。しかし、窮地に追い込まれると噛み付いてきます。そのときは、水の中に手を入れてあげると逃げていきます。噛み付いたら離さない。いったいどんな歯をしているのかと思われるでしょうが、すっぽんに歯はなくあごです。噛む力がとても強いので、試しでも噛まれないよう注意してください。
すっぽんは約2億年前から地球に生育しており、ほとんど形を変えずに現在に至っています。まさに生きた化石といえるでしょう。甲長は20~25cmくらいで、甲羅は凹凸、亀甲模様がなく、平べったく、からだの表面は柔らかい皮でおおわれています。この皮があることで病原菌への対応ができています。
首は長く、吻部が突き出しています。先に鼻がありちょっと見た目豚の鼻のような感じです。時々、首を伸ばし呼吸をします。すっぽんの首は、胴体に近いくらい伸びるのでその光景を見るとこっけいです。